No.093 シンプルイズベスト

シンプルイズベスト
私は「孤独のグルメ」が好きです。井之頭五郎さんという輸入雑貨商を営む主人公が、仕事帰りに美味しいお店でご飯を食べるというただそれだけの物語なのですが、その食べっぷりと食レポのバランスが気持ちよく、ついつい見入ってしまいます。現在はシーズン9まで到達したようです。特別編を加えると100話以上も続いています。この番組は、最初はフジテレビに企画が持ち込まれたようですが、フジテレビ幹部の「ただ飯を食べるだけの番組なんて誰が見るんだ」の一言で企画は一蹴され、テレビ東京が目をつけて番組にしたら大ヒット、年末特番が組まれるまでの人気番組になったようです。ごちゃごちゃと色んなタレントを出演させたり、不必要に恋愛要素等を入れなかったからこそ、ここまで長く愛される番組になったのでしょう。まさにシンプルイズベストの勝利です。
話は若干それますが、みなさん一発屋芸人と言えばだれを思い出しますか?小島よしお、ヒロシ、波田陽区などのエンタの神様芸人、アキラ100%、すぎちゃん、日本エレキテル連合などの2010年代に一時注目を浴びた芸人など、色んな人が浮かんでくると思います。たいてい懐かしい芸人や一発屋芸人特集で久々にテレビで見た時は懐かしさを感じるものですが、その中にたいてい選出されるのが「ゲッツ!」で有名なダンディ坂野さんです。でも実は、ダンディ坂野さんって、現在においても安達祐実さんやカンニング竹山さんらが所属するサンミュージックという事務所の中でCM契約本数No.1だったりするんですよね。テレビには出られずとも、企業のイベント営業の依頼などは絶えていないようです。その理由を探ってみるとどうやら「シンプルだから」なのだそうです。黄色いスーツを着て「ゲッツ!」を全力でやるだけです。それを20年間飽きもせずに全力でやり続けてきた坂野さんの勝利です。
ビジネスの世界でも、アップル社が生み出すプロダクトのデザインは極めてシンプルです。説明書を使わずとも簡単に利用できるという事をコンセプトに、シンプルを突き詰めていった結果、ホームボタンすらなくなりました。日本の携帯電話の機能がドンドン複雑になっていく一方で、このシンプルさが市場を席巻する事となりました。科学の世界でも古い話になりますが、アインシュタインの凄みは、世界の力学をきわめてシンプルな式で示した事です。物とエネルギーの関係性をE=mc²でシンプルに表現した事です。細かい事は専門外なので解説できませんが、このシンプルな公式があったからこそ、多くのエネルギーを要する現代社会を運営する事ができているのです。
長く愛されたり大きな影響力を持つのは、いつの時代もシンプルなものです。自分自身の人生においても大きな成長や変化を遂げるためには、シンプルな行動原則を定めていく事です。習慣においても複雑なものや曖昧なものは続ける事はできません。ダンディ坂野さんレベルにシンプルな事を全力で続けていく事で、大きな果実を「ゲッツ」できるのです。
習慣サポーター けいぞうくん
(掲載日:2021年10月1日)
(次回配信日:未定)