No.066 宮本武蔵の教え

宮本武蔵の教え
「千日の稽古をもって鍛となし、万日の稽古をもって錬となす」これって凄い言葉ですよね。江戸時代の剣士、宮本武蔵の言葉です。千日努力して初めて技術として一定のレベルに達し、1万日かけてそれを練り上げていくということらしいです。千日は約2年と9カ月くらい、万日に至っては27年と5か月くらいです。昔は平均寿命が40年から50年と言われていたので、人生の大半をささげてこそはじめて大事を成す事ができるということですね。
宮本武蔵は他にも「構えあって構えなし」や「空を道とし、道を空とみる」などの名言を残しています。同じことを黙々と愚直にやり抜いた先に、欲望や雑念を振り捨てて達観できる世界があるのでしょうね。最近は、「2ヶ月で痩せられる!」などの広告をよく見ることがありますが、宮本武蔵さんに言わせてみれば、そもそも短期間で痩せようと考えていること自体が欲望や雑念の塊なのでしょう。
実際に50万くらい払って短期間で痩せることを謳っているジムが増えています。確かに痩せる技術は凄いのでしょうけど、アイドルの峯岸みなみさんや経済学者の森本卓郎さんなど、ジムに通った後リバウンドしている人を結構見ます。私の周りにも、名リバウンダーが何人か存在します。1キロの減少に2万円払って痩せたのにも関わらず、ものの見事にV字回復を遂げて、以前の体重よりも増加してしまいました。体重の増減をグラフで見たらナイキのロゴマークになっています。そういう人は「食べたい!」という欲望を冷静に静める精神こそが必要なのでしょうが、そういう根っこの部分は簡単には身に付きません。
すぐに手に入れた物は、すぐに失う。勉強でもそうです。一夜漬けで覚えた知識はあっという間に消えてなくなります。心を落ち着かせようと、瞑想をちょっとしただけでは煩悩は消え去りません。まさに知識の根っこの部分や、心の根っこの部分を鍛えていかなければ、本物の力は身に付かないということでしょう。宮本武蔵が伝えたかったことも最低でも1000日続ける覚悟でやり抜くことで初めて、ちょっとだけ根っこが生えてきて、1万日続ける事で立派な大木として、どんな風雨にも動じない身心になるのでしょう。健康増進も知識習得も精神安定も、根っこが生えた身心創りが一番大切だという事ですね。習慣を続ける目的は人それぞれ違いいますが、究極的にはこの身心創りに繋がっているのでしょう。
私もi-Company CLUBでコツコツと自分を磨く習慣を始めてから500日を超えました。ということは私もまだ根っこすら生えていないということ。簡単に引っこ抜ける苗木です。ちょっとした風雨で自滅してしまいます。まだまだこれから。万日に到達するのは70歳くらいです。70歳で達観した爺さんになれるように頑張って続けていきたいと思います。
習慣サポーター けいぞうくん
(掲載日:2021年3月26日)
(次回配信日:2021年4月2日)