No.053 精神と時の部屋③

精神と時の部屋③

 精神と時の部屋については、Vol51の精神の時の部屋①をご覧ください。今回も学習効率について書いていきたいと思います。私は、学校のテストなどでも、一夜漬で乗り切ってきたタイプです。習慣に出会うまでは「コツコツやる」ということができませんでした。「残りの24時間に全てをかける…」とキザに呟いては、赤点ギリギリのところを切り抜けるスリルを味わっていたものでした。残りの24時間の過ごし方は、文字通り「24」(トゥエンティーフォー)のジャックバウアー並みの集中力、動物的な勘、敵(出題者)の意図を洞察する力で乗り切っていきます。そしてテストが終わった後は、「ショーシャンクの空」の主人公が下水道を抜けた時の爽快感で空を仰いでいたものでした。

 しかし、これらの知識は定着しませんでした。中間テストや期末テストの時だけなので、1週間も経てば氷のように解けて無くなります。一夜漬けなどは大量の情報を頭に瞬間コピーして吐き出しただけでした。そういえば、ドラえもんの有名な作品「暗記パン」も同じ考えですね。消化したら消えてなくってしまうものです。高校受験や大学受験では、そうはいきません。ボリュームが多いからです。一夜漬けだと、私の胃袋ではあれだけの情報は食べられません。なので、ちゃんと学習効率(短い時間で長期記憶情報を獲得すること)を高める事が必要です。

 そこで、自分なりの勉強方法を編み出しました。その名も「返し縫(かえしぬい)勉強法」です。精神と時の部屋②でも書きましたが、一問一答カードを用意します。そして、1問目から10問目の問題を覚えて、10問進んだら、1問目に戻り口頭で解答していきます。そして10問目までいったら、15問目まで頭に叩き込みます。そして、5問目から15問目を解答していきます。次に20問目まで覚えて、10問目から20問目を解答していきます。これを繰り返すと、大体1回で3回同じ問題を目にする事になります。裁縫で習った返し縫の動きに似ているので自分で命名しました。

 これを高速回転でやればある程度の情報は頭に叩き込まれます。そしてこの動きを3日後もやるのです。たいていの問題は覚えていますが、やっぱり抜けてしまいます。そこで、また全部の問題に対して返し縫勉強をやります。そして1週間後、1か月後と同じ動きをして1か月後も覚えていたらもう長期記憶に移行したとみなして、覚えていないカードだけ抜いて貯めていくのです。高速でやる。繰り返しやる。間を空けてやる。これがポイントです。習慣というのは、地道にコツコツ。勉強は効率的に素早く。一見相反する感じですが。これが合わさった時に、自分の望むステージが近づいてくるのでしょう。


習慣サポーター けいぞうくん
(次回配信日:2020年12月25日)

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